OpenAI、カメラスタートアップのGlass Imagingを3億ドル超で買収

ニュース概要
ウォール・ストリート・ジャーナルが2026年9月14日(米国東部時間)に報じたところによれば、OpenAIはカリフォルニア州ロスアルトスに拠点を置く小規模なスタートアップ、Glass Imagingを買収した。同社はAIを活用したスマートフォンカメラ技術を開発しており、買収額は3億ドルを超えるとされている。OpenAIもGlass Imagingも取引を公には確認しておらず、記者からの問い合わせに対しOpenAIはコメントを控えた。この買収により、OpenAIは最初の消費者向けデバイスの市場投入に向けて急ピッチで進む中、成長著しいハードウェア部門に計算機写真撮影チームを加えることになった。
Glass Imagingの事業内容
Glass Imagingは2019年、かつてAppleでiPhoneのポートレートモードの技術に関わった二人のエンジニア、Ziv AttarとTom Bishopによって設立された。AttarはAppleで計算機写真撮影プロジェクトを主導し、iPhone 7 Plusでデビューしたポートレートモード機能などを手掛けていた。また、彼は以前に二眼カメラによる深度検知スタートアップであるLinX Imagingを設立しており、これは2015年にAppleによって買収されている。Bishopは2013年から2018年の間、Appleでポートレートモードの中核技術の開発に従事していた。
同社の主力製品「GlassAI」は、ニューラル画像信号プロセッサ(ニューラルISP)として説明されている。ほとんどのスマートフォンソフトウェアが写真撮影後にAIによる強調処理を施すのとは異なり、GlassAIは個々のカメラモジュールの特性に合わせてトレーニングされており、シャッターが押された瞬間にセンサーの生データを処理する。Glass Imagingの前提は、従来のスマートフォン写真撮影における進歩——より大きなセンサー、追加レンズ、複雑な光学系——が物理的な限界に達しつつあり、AIによってすでにスマートフォン内部にあるコンパクトなカメラハードウェアから意味のある高画質を引き出せるというものだった。報道によれば、同社の画像技術は以前にHonorのスマートフォンで使用されていた。OpenAIとの買収契約前に、Glass Imagingは投資家から約3,000万ドルの資金調達を行っていた。
OpenAIがカメラ会社を買収する理由
今回の買収は、OpenAIがチャットボットやAIモデルにとどまらず、物理的な消費者向け製品へと拡大しているというより広い傾向に沿っている。2025年5月、OpenAIは元Appleデザイン責任者であるJony Iveが共同設立したハードウェアスタートアップ、io Productsを約65億ドルの株式で買収し、「AIネイティブ」なデバイスを構築する狙いがあった。それ以降、OpenAIはスマートグラス、ウェアラブルピン、デジタル音声レコーダー、そして約300ドルで販売されると見られる画面のないスピーカーなど、様々なハードウェアを開発していると報じられており、2026年後半または2027年の発売を目指している。
Glass ImagingのニューラルISPに関する専門知識を社内に持ち込むことは、OpenAIが将来のデバイスが画像をどのようにキャプチャし処理するかについて、サードパーティ製カメラソフトウェアに依存するのではなく、直接的な制御を得たいと考えていることを示唆している。カメラシステムは、スマートフォンのようなデバイスにおいて最も技術的に難易度が高く、かつ消費者にとって最も目立つコンポーネントの一つと広く見なされており、計算機写真撮影は確立された携帯電話メーカーの間での重要な差別化要因となっている。Appleのポートレートモードの血統を直接持つチームを取り込むことで、OpenAIはコンパクトなカメラモジュールのハードウェア制約と、画質をさらに引き上げるために必要なAI技術を理解した専門人材を獲得することになる。
業界の文脈
この取引は、AIラボがソフトウェアやモデル能力だけでなく、統合されたハードウェア体験においても競争を深めていることを浮き彫りにしている。io Products買収以降、OpenAIのハードウェアへの野心は大きく加速しており、同社は製造パートナーと共に協力し、約1年以内に複数のデバイスカテゴリを市場に投入する作業を進めていると報じられている。Glass Imaging買収のような小規模でターゲットを絞った取引を通じて専門的な画像処理人材を獲得することは、OpenAIが確立された家電メーカーや独自のデバイス戦略を追求する他の資金豊富なAIラボも含むハードウェア競争において、同等の機能をゼロから構築する場合と比較して、より迅速に進めることを可能にする。
OpenAIのハードウェア関連の動きの多くと同様、Glass Imaging買収の詳細、既存製品や顧客の行方、エンジニアリングチームの統合計画、およびその技術がOpenAIの将来のデバイスにどのように反映されるかについては、いずれの企業も公式に開示していない。